万能壁材「ビニールクロス」 健康志向に人気の「珪藻土」「漆喰」
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健康素材や環境素材の壁紙が豊富に登場!! 【シックハウス対策】
色や柄が豊富、手ごろな価格、汚れ落としが簡単、などの理由から、壁や天井にビニール壁紙を使うことが多いのが現状です。多くにハウスメーカー、工務店の住宅ではこのビニールクロスが主流になっています。安全性については、官民合同で発足した健康住宅研究会という機関の調査では、「ビニール壁紙から放出されるホルムアルデヒドの濃度は、通常の大気に存在する濃度とほぼ同じである」と報告されています。しかし、壁紙は、室内の表面積を占める割合が大きいだけに、できるだけ安全な製品を選ぶほうが良いでしょう。その目安となるのが、さまざまな安全基準です。壁紙を選ぶ際には、「壁紙製品規格協議会」のSV規格や「壁装材料協会」のISM規格、ドイツのRAL規格などに適合しているかどうかを調べ、接着剤の安全性についても確認しておきましましょう。
上記のように、壁紙は有害とされる物質の含有量が規制されるなど、安全性が大幅に向上していますが、各製造メーカーではより安全性が高く、環境にもやさしい製品を急速に開発しています。有機溶剤による油性インキは人体に有害なだけでなく、大気汚染の原因になり、河川にも悪影響があります。そのため、最近では水性のインキを使用した製品や、焼却処理の際に有毒ガスが発生しにくい製品が急激にふえてきました。ほかには、森林資源の保護につながる、月桃やケナフなどの植物を主原料にした非木材系の壁紙も中もを集めています。
一般的なビニール壁紙は、通気性がないため、場所によっては結露が発生することもあります。そこで、登場したのが、通気性や吸放湿性を備えた壁紙です。 壁や天井を塗装仕上げにする場合は、塗料の安全性を確認することが大切です。溶液系のアクリル樹脂系塗料よりも水性エマルジョン系塗料のほうが、トルエン、キシレンなどの有機溶剤の含有量が少ないとされています。
人気急上昇の自然素材「珪藻土」「漆喰」 【シックハウス対策】
住宅の高気密化や健康志向で、かつて日本家屋の壁に多く使われてきた漆喰が、ここにきて見直されています。漆喰は、消石灰に糊、ワラすさなどをねり合わせたもので、耐火性、保温性、耐久性に優れているという特徴があります。自然の調湿作用があるため、結露の発生が抑えられ、カビも出にくくなります。
また、ナチュラルなインテリアにマッチするラフな質感で人気を集めているのが、珪藻土です。これは、植物性のプランクトンの堆積土が主原料トなっています。粒子に無数の細孔があいているため、調湿性や遮音性、保温性を備えており、においを吸着する性質も含んでいます。そのため、合板などに含まれる有害な化学物質やタバコのにおいなどを吸着し、快適な室内環境づくりに役立ちます。多くのハウスメーカーや工務店でも、珪藻土や漆喰の壁を選択することが可能になってきています。
漆喰壁が化学物質を吸着・分解
効果的なのが、壁に「漆喰(しっくい)」を使うこと。漆喰は日本古来の塗り壁材で、一般的に、消石灰にスサ(刻んだ麻など)と海藻のりを混ぜて、水で練ったものを利用します。漆喰は自然のものでできていて安心ですし、吸湿・放湿性や耐火性に優れていて、カビやダニにも強いなど、日本の風土や建築に合っているのが特徴。さらに、ホルムアルデヒドをはじめとした化学物質を吸着・分解する働きもあることが知られています。漆喰に使われる消石灰は、小さな穴がたくさんあいた多孔質の物質で、化学物質を吸着し、無害化してくれるのです。
また、漆喰と同じく、多孔質のタイルにも同じような効果が期待できます。部屋の壁を、一面だけでも漆喰や多孔質のタイルにすると、室内空気を浄化する効果があります。壁のリフォームをするなら、漆喰壁やタイル壁がおすすめです。今は、素人でも比較的、簡単に塗れる漆喰のキットが市販されていますし、タイルを自分で貼る人も増えているようです。興味がある人は、DIYで壁のリフォームに挑戦してみてもよいと思います。ただ、壁紙の上から塗ると、せっかくの漆喰の性能が落ちることになりますし、耐久性も弱まります。だからといって壁紙をはがすとなると、その分、かなりの労力が必要です。当然、プロにくらべれば、仕上がりも悪くなるのがふつうでしょう。以上のようなメリット・デメリットを考えて、自分で塗り直すか、プロにお願いするか、検討してみてください。
壁紙選択時の目安になる主な安全規格
SV規格(壁紙安全規格)
国内の壁紙メーカーを主とした団体.SV協議会が定めた自主基準。ドイツのRAL規格や日本工業規格C」【S)などの品質基準を考慮して、より安全を追求すべく独自の基準が定められており、国産壁紙の多くこの規格に適合しています。
ISM規格(壁装材料協会の安全規格)
1996年に壁装材料協会により制定された安全規格。廃棄後の環境負荷を抑えるために、塩ビ樹脂量などが制限されています。
RAL規格(ドイツの品質検査規定)
1990年に設定。1997年に改定された新基準では、新たにVOC(揮発性有機化合物)の規制項目を追加し、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの溶剤を規制しています。
シックハウス症候群の原因は「ホルムアルデヒド」
ホルムアルデヒドなど、シックハウス症候群の原因になると考えられている13の揮発性有機化合物については指針値が設けられており、現在、その使用をできるだけ減量するための対策も行われるようになってきています。
たとえば、2003年に改正された建築基準法によって、防蟻剤として使用されていたクロルピリホスは、居室のある建築物での使用は禁止されましたし、ホルムアルデヒドに関しても内装仕上げや天井裏などでの使用が制限されました。
化学物質の少ない建材もたくさん使えば空気は汚れる
建築基準法の改正に伴ってJIS(日本工業規格)では、内装に使われる建材に、ホルムアルデヒドの放散量を表す「F☆☆☆☆」「F☆☆☆」「F☆☆」というマークの表示を義務づけています。
☆の数が多いほど、放散されるホルムアルデヒドの量は少ないということを意味しています。「F☆☆☆☆」であれば制限なく使用することができますが、「F☆☆☆」「F☆☆」は使用量の制限があります。このマークのない建材は、使用が禁止されています。そのため、「我が社の住宅は、すべてF☆☆☆☆の建材を使っているので、安全です!!」とアピールする住宅メーカーの営業マンも多くいますし、実際に、そんなセールストークを耳にした方もいるでしょう。
F☆☆☆☆の建材を使っていれば、本当に安心・安全なのでしょうか?
その答えは「NO」です。
F☆☆☆☆の建材は、ホルムアルデヒドの放散量が少ないとはいえ、ゼロではありません。壁紙、フローリング、天井材、断熱材……いろいろなところに使えば、それだけ、空気中のホルムアルデヒドの量は増えてしまうのです。
様々な内装材がシックハウス症候群を引き起こす
さらに言えば、シックハウス症候群の原因になるといわれている化学物質は、ホルムアルデヒドだけではありません。住宅で使用できないクロルピリホスを除いても、指針値が定められている化学物質は他に12種類あります。そして、これらについては何の規制もないのが現状です。それにそもそも、住宅の建材には、指針値が指定されている13の物質だけではなく、まだまだたくさんの化学物質が使われています。
2017年初春に東京都が実施した居住環境詳細調査で、10件の住宅で揮発性有機化合物など77物質について測定をおこなうと、外気からは23物質、室内からは53物質が検出されたそうです。さらに、アメリカの専門機関では、VOCの種類を登録しているのですが、その数は1億種類にものぼるそうです。「13物質を含まない」という建材や製品であっても、その代わりに別の化学物質が使われていることが多く、最近では、それが原因で起こるシックハウス症候群も問題になりつつあるのです。
いつ発症するかわからないシックハウス症候群
化学物質による体への影響は、はっきりと解明されたわけではありません。「体に影響が出ないだろう」とされている指針値以下であれば安全かというと、そうとも言い切れないのです。同じ環境にいてもシックハウス症候群を発症する人もいれば、発症しない人もいます。微量の化学物質であっても、シックハウス症候群になる人はいます。
さらに、いつ、どのタイミングで発症するかもわかりません。フッック「ウス症候群の症状はないし、引っ越す予定もないから大丈夫」という人がいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。微量の化学物質であっても、長期間、吸い込んでいれば、体のなかに過剰に蓄積されてしまいます。そして、コップの水があふれてしまうように、化学物質に対して過敏に反応する体になってしまいます。このような状態を化学物質過敏症と言います。シックハウス症候群も、化学物質過敏症の一種です。長年、化学物質で汚れた室内空気を吸い続けることで、突然、発症することもあり得るのです。