住宅ローン返済で破綻する家計の特徴とは!!
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1990年代のバブル崩壊後には自己破産が急増しました。それまでは年間10万件以下だったのが、ピーク時の2003年には1万件台まで増えたのです。それが、このところは減少傾向で、2012年にはついに10万件を切り、以前の水準に戻っています。ただ、これは2012年3月まで実施された、返済猶予法の影響が大きいのではないかといわれています。条件変更などで、破たんが先延ばしにされているだけではないかというのです。潜在的な破たん予備軍は、まだまだ多いのではないかとみられます。
2007年後半から、世界的に深刻な影響を与えたのがアメリカのサブプライムローン問題です。ローンの焦げつきが多発して、欧米だけではなく、我が国の景気の足も引っ張りました。これは対岸の火事ではありません。無理な計画を立てるとローン破たんから、ひいては自己破産に陥る可能性があります。「転ばぬ先の杖」で、そうならないための対策を立てておくようにしたいものです。
家計簿は必須!!【住宅ローン破産回避】
返済負担率を25%までに抑えるのが安心です。この範囲内で資金計画を立てるのが大原則です。たとえば年収500万円なら、毎月の返済額を10万4166円までに抑えられるようにするわけです。
しかし、より確実にするためには、現在の家計の収支にあわせた計両にする方法があります。現在の家計から住宅関連の支出をはじき出します。購人後の住宅関連の支出がその範囲内に収まれば、現在と変わらない生活を送ることができるはずです。その際忘れてはならないことがあります。新居での生活においては、賃貸生活では必要なかった固定資産税などの税金負担が発生し、マンションなら管理賞などの支出も出てくる点です。これらを差し引いた金額までにローン返済額を抑えなければならないのです。
せっかくマイホームを手に入れても、生活に困窮とするのでは、マイホームの夢も色あせたものになります。ゆとりある生活を送るためにも、ぜひともチェックしておいていただきたい点です。 そのためには、毎月の家計管理をキチンとして、家計簿をつけるようにしましょう。家計簿をつけていない人は、せめてこれから半年程度でも実践してみて、自信を持って記入できるようにしてください。それすらできない人は、マイホーム購入の資格がないと言っても過言ではないと思います。
返済負担率25%以内に抑えるのが安心!!
住宅ローンをいくら惜りられるのかには、いくつかの条件があります。それには大きくは3つの条件があり、そのなかで一番少ない金額がその人の融資限度額ということになります。たとえば、年収600万円の大が、フラット35(買取型)を利用して、4000万円の新築マンションを購入するケースについて考えてみましょう。
フラット35の融資限度額は8000万円ですから、4000万円の物件なら全額が対象になりますが、100%融資だと金利が高くなるので、90%の3600万円にするのが無難です。さらに、年収からみた返済負担率は35%までなので金利2%、35年返済だと5280万円まで可能です。しかし、融資割合からは3600万円までなので、3600万円が上限になります。これが、年収400万円未満の人だと、返済負担率から計算すると3010万円までに。3600万円は無理で、3010万円までの融資にとどまるわけです。
返済期間を延ばせば借入限度額は増えるのだが・・・
しかし、実際にはマイホームを購入した先輩たちの購入実態を見ると、平均返済負担率は20%弱から20%台前半にとどまっています。首都圏や近畿圈の新築だと20%台が多いのですが、地方の中古などでは20%以下もみられます。現実には年収などの条件にもよりますが、25%を上限に返済計画を立てるのが無難といえるでしょう。
その25%の範囲内でいくら借りられるのかは、計算式で求めることができます。年収600万円、金利2%、35年返済では3770万円が限度になります。この計算は、金利や返済期間によって異なってきます。金利が低いほど、利用する返済期間が長いほど、借入限度額は増えます。自分たちの条件にあわせて、この範囲内の融資額に抑えておけば、購人後の生活もある程度ゆとりを持って送ることができるのではないでしょうか。
高校・大学の7年間で1000万円以上の負担に
マイホームのために子どもが犠牲になるのは本末転倒子どもの教育費はどれくらいかかるのでしょうか。小学校、中学校までは公立に進ませるなら、さはどの心配はないでしょう。でも、高校、大学となると話は別。図表11にあるように、子ども一人を高校・大学に進学させるだけで、合計1000万円強の費用がかかってしまいます。大学が理科系だとこれより100万円以上多くかかるようです。
さらに、地方から東京や大阪・京都などの大学に進学させるとなると、下宿代も重くのしかかってきます。学費を除いた親からの仕送りだけでも、月額10万円以上というのがいまや常識になっていますから、親の苦労は絶えません。
子供の進学費、教育費で住宅ローンが破綻する人は多いのです。
それでも、住宅ローンのために子どもに進学を断念させるようなことがあってはならないでしょう。それでは何のためのマイホームかわかりません。家族みんなの夢をかなえるのがマイホームなのですから・・・
家計を安定させるポイントは「3大支出」
家を建てた後、買った後、この先の人生で大きくお金がかかるのは、教育資金、老後の生活資金、住居費の3といえるでしょう。これらを、人生の「3大支出」といいます。しかし赤字家計になったり、現金が足りなくなる危険を避けるためには、この3つをうまくコントロールすることが重要です。
それでは、どのようにすればきちんとコントロールできるのでしょうか。ポイントとなってくるのが、優先順位をはっきりと明確にしておくことです。子どもは「待った」なしで育ちますので、教育資金を先送りにはできません。老後も「待った」なしで追いかけてきますし、老後の生活資金は、働いている期間にしか貯められませんので、やはり先送りにできません。すなわち、仮にどちらか、もしくは両方が不足しそうな場合には、住居費を調整してすることが重要です。それが家計を安定させ、豊かに暮らすカギとなります。この際、賃貸であれば賃料の安い家に住み替えればよいわけですので、その分、教育資金や老後の生活資金にあてることができます。また子供が大きくなって独立したら間取りを小さくして家賃負担を少なくすることもできます。しかし持ち家派は、住宅ローンの返済額が決まっているため、住居費を調整することは現実的には不可能なのです。
持ち家は、老後まで無事にたどり着ければ、生活費が安くなるという大きなメリットを得られます。しかし、住居費が固定されているために、老後にたどり着く前に家計は赤字になる可能性があります。教育資金でつまずくと、その後の家計も非常に不安定になります。老後の生活資金が貯められなかったり、場合によっては、一生住むつもりで手に入れた持ち家を売ったり、貸し出す必要に迫られるかもしれません。この場合、貸せればよいのですが、残債があれば貸すこともできないケースがあります。