屋根材のセレクトガイド

重たい屋根は地震に弱い!!軽量安価なスレート系・金属系が主流

屋根材のセレクト

 

 

外装の仕上げ材は、デザイン性や価格を優先して選びがちです。しかし、長くつきあつていくものだけに、安全性や耐久性、維持管理メンテナンスにかかる費用など、トータル的に検討することが大切です。

 

 

重量やメンテナンスにかかる費用も考慮!!

屋根に求められる第一条件は、雨露をしのぐことです。雨漏りを防ぐには、谷が少ない単純な屋根にして、気候風土や屋根材に合った勾配をとることが非常に重要です。複雑な屋根ほど小屋組みも複雑になり、コストが大きくなります。

 

住宅に加わる地震の横揺れの力は、建物の重さと比例します。住宅自体が重ければ、揺れやすいのです。さらに言えば、屋根が重たければ、重心が高くなるので、さらに揺れやすくなります。そのため、屋根や外壁を軽い材料にすれば、建物の荷重負担が少なくなり、耐震性が向上します。また、屋根材の重さによって、必要な耐力壁の量が違って来るのです。重量のある屋根材を使った木造住宅では、耐力壁の量を多くするだけでなく、屋根を支える柱や梁、土台、基礎なども十分な強度が必要です。つまり、コストを抑えて、窓の大きな家をつくるには、屋根材は軽量のほうがよいのです。実際に神社仏閣の屋根は瓦がたくさん載っているので重たいのですが、その分梁や柱も太く頑丈になっています。

 

スレート瓦のセレクト最近の戸建てで多く用いられる軽量の屋根材には、スレート系金属系があります。スレートはもともと、玄昌石をスライスした天然スレートのことですが、価格がかなり高く、一般的ではありません。現在のスレート系屋根材の主流は、セメントが主材料の人造スレートとなっています。以前は石綿が含まれていましたが、健康への害が問題になってから、石綿を含まないものへと移行してきています。現在では石綿を含むものの販売はされていません。人造スレートの屋根材は、粘上がわらの2分の1から3分の1程度の重さで、洋風の外観とマッチし、価格も手ごろなのが特徴です。耐候性のある塗装が施されていますが、定期的に塗りかえが必要なので、メンテナンスの費用を考慮しないといけません。一方粘土瓦は、重量があり、価格が高いのですが、耐候性や耐久性にすぐれ、塗りかえの必要がなく、高級感があるなどのメリットがあります。

 

金属系の屋根材には、鋼板やアルミニウム、ステンレスなど多くの種類があり、ふき方もさまざまです。技術の発展により、今後も多種多様な金属系屋根材が出てくるでしょう。金属系の屋根材は、軽量なうえ、いろいろな形に成形しやすいのが特徴ですが、雨音が伝わりやすいため、下地に遮音性をもたせることが必要です。最近では、断熱性がよく、耐候性にすぐれた仕上げにより再塗装がほとんど不要なアルミ合金の成形屋根材も人気となっています。

屋根材は「耐久性」「コスト」「機能」「デザイン」で選べ!!

屋根材は大きく分けて「瓦」「石綿スレート」「金属板系」の3つに分かれます。瓦は耐久性、通気性に優れており、1枚ごとに取り替えることができるので、メンテナンスも非常に簡単です。しかしコストは、他の2つに比べると、やや割高となります。最近では日本瓦のほかに、フランス瓦などの洋瓦も登場し、デザインも多彩です。

 

石綿スレートは、現在多くの住宅で使われているポピュラーな素材で、材料の軽さと低コストが大きなメリットです。瓦に比べると耐久性が劣るため、まめなメンテナンスが必要になります。金属板系は、軽量で耐水性に優れ、積雪の多い地方でよくみかけられます。また加工性にも優れているので、アーチ形、ドーム形などとデザインも自在です。リサイクルができるのも大きな魅力です。

 

屋根の断熱は根裏がポイント

屋根は雨風を防ぐだけでなく、家の断熱と排熱、換気という重要な役割をもっています。雨が多く、夏は高温になる日本の気候では特に重要です。屋根は直接、外気の寒暖を受けやすいので、夏の断熱、冬の保温性を高める目的で、必ず断熱材を使用します。

 

さらに、高温多湿な気候から、屋根裏の換気を十分に行わないと、部材が傷んで屋根の構造に大きな影響を及ぼします。換気するためには、屋根に換気口を設けて、空気を取り入れ、たまった熱を排出させる必要があります。これらの計画は、日本特有のむし暑い夏を快適にすごすために必須といえるでしょう。最近では、高気密高断熱の住宅が増えて、排熱や換気の必要性が強くなっています。

 

夏は屋根への日照が多くなる

最も断熱対策が必要となってくるのが、真夏といえるでしょう。照りつける真夏の太陽は、屋根にとっても大敵です。夏至の正午には、太陽高度が60〜80度近くになるといわれ、屋根の表面温度もそれと比例するように高温になります。この時季に断熱や排熱対策が不十分だと、屋根裏に熱い空気や熱が停滞し、夜になっても熱が放射されて、寝苦しい夜をすごすことになるのです。

 

さらに気をつけたいのが、東と西の壁面です。太陽が真上にある日中は、屋根や屋根から深く出た軒が、直射日光から壁面を守ってくれます。しかし、朝と夕方は、東と西の壁面に直接日光が当たりますので、この箇所にも十分な断熱等の対策が必要です。

 

屋根裏に熱気が溜まっていると夜中まで暑い

屋根裏は、夏場の日中はかなり高温になります。屋根裏の熱が抜けないと、夜になってからその熱が下の部屋を暖め、夜中まで部屋が暑くなり、寝苦しい夜になってしまいます。

 

その対策としては、天井の上の断熱材を入れる場合、断熱材の厚さを最低でも、繊維系の断熱材で15センチ以上、樹脂発泡系で7センチ程度の厚さが欲しいと思います。できれば屋根のすぐ下で、屋根断熱して、熱がすぐに抜けるように、十分な大きさの換気口を設けるなど、排熱対策をしたいものです。

 

※記事内には「PR」の宣伝活動および、アフィリエイト広告が含まれております。

トップへ戻る