地震に強いハウスメーカー

地震に強い・災害に強い ハウスメーカーはあるのか?

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地震に強い家 

 

【目次】

 

 

地震に強い家とは? ハウスメーカーとは?

 

大規模震災が発生して住宅の被害がすると、倒壊せずに持ちこたえた住宅を建てたハウスメーカーが話題になります。その逆の場合も然りです。大きな地震被害が発生するたびに耐震性の優れた住宅、ハウスメーカーに注目が集まります。これはどのハウスメーカーで住宅を建てれば安心なのかというユーザーの大きな関心事なのです。東日本大震災や熊本自地震以降、その傾向はとても顕著になっています。今や耐震性は住宅選びの、ハウスメーカー選びの最重要ポイントは「耐震性」なのかもしれません。

 

それでは「どこのハウスメーカーで家を建てれば耐震性が高いのでしょうか?」

 

その明確な答えはありません。これと言い切れるような結論は現実にはないのです。なぜならば住宅の耐震性を語る上では、住宅単体の強度だけではなく基礎や地盤、杭、その周辺環境なども大きく関係するのです。もちろんその住宅の構造や築年数、グレード、仕様なども耐震性には大きく影響します。しかしこの世の中には全く同じ条件の住宅はないのです。一概にどこどこのハウスメーカーは地震に強いとか、強度がないとか、耐震性が優れているとか、断言はできないのです。

 

 

地震に強い家とは? 家単体では結論は出ない!!

 

地震の被害 ハウスメーカー

地震に強い住宅、耐震性の高い住宅とはどのような住宅でしょうか? 一概に地震に強いと言っても、地震にも様々な種類があるのです。地震の被害は揺れによるものだけではありません。東日本大震災では津波の被害で多くの住宅が倒壊にいたりました。多くの住宅が直接的な地震の揺れには持ちこたえることができましたが、その後の津波で流されてしまいました。阪神淡路大震災と中越沖地震では直下型の地震により、揺れによる家屋の被害が拡大しました。更に直近の熊本地震ではこれまでの大規模地震では体験したことの無かった「繰り返しの強い揺れ」の影響で、過去最悪の倒壊率を記録しました。

 

このように地震にはいろいろなタイプがあるのです。東日本大震災で半壊や全壊の被害を免れたハウスメーカーの住宅が、熊本地震のような「繰り返しの強い揺れ」に耐えられるとは言い切れません。東日本大震災の揺れには多くの住宅が持ちこたえましたが、その後の津波によって跡形もなく流されてしまいました。流失をかろうじて免れたハウスメーカーの住宅も、地盤の変形や崩壊などで傾いて使いもにならない住宅も多数ありました。ですから、住宅単体の耐震性ももちろん大切ですが、基礎の耐久性や、地盤の強さ、杭の長さなど総合的に考えないといけないのです。

 

 

東日本大震災と鬼怒川決壊で倒壊しなかったハウスメーカー

東日本で流されなかった

東日本大震災では、津波が引いた後に何棟かの住宅がポツンポツンと残っていました。ほぼ全ての戸建て住宅が流されて跡形も残っていないところに、数棟の住宅が残っているので非常に目立つのです。

 

この時もマスコミが一斉に取り上げ、その残った住宅を建てたハウスメーカーは大きな注目を集めました。更には株価も上昇して、翌年の販売供給戸数が大幅に伸びた事実があります。このハウスメーカーは今でも大きな地震で被害が発生するたびに、業績が上がるのです。東日本大震災の時、流されなかったハウスメーカーとして今でも認知されているのです。それほど多くの方が、地震に強い家、耐震性の優れた住宅に興味があるのです。

 

鬼怒川決壊 白い家

平成27年9月関東・東北豪雨で鬼怒川が決壊して大きな被害が発生しました。その時、一つの白い家だけが流失を免れ非常に大きな話題になりました。周りの他の住宅は全て流されているのに、その白い家だけが残っていたのです。周辺にも災害に強いと言われる大手ハウスメーカーの新築住宅も数棟ありましたが、ことごとく流され、原型をとどめていたのはその白い住宅だけでした。なぜこのハウスメーカーの白い住宅だけが残ったのでしょうか?

 

他の大手ハウスメーカーの耐久性が高いと評判の住宅が流されているのに、この白い家だけが流されなかったのでしょうか? 災害発生時からワイドショーなどで生中継され、ネット上でも話題となり、この白い家の奇跡は日本中の注目の的となりました。翌月からこの白い家を作ったハウスメーカーには問い合わせが殺到し、展示場やモデルハウスには大勢の見学者が来たそうです。周りの家が跡形もないのに、この白い家だけが何事もなかったように、新築同様で佇んでいるのですから、これから注文住宅を検討しようとしている方としたは非常に気になるところでしょう。

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鬼怒川洪水と東日本大震災の津波に耐えた家の真実!!

なぜ? この2つの家は鬼怒川の決壊、東日本大震災の津波に耐えられたのでしょうか? 結論は簡単です。実は住宅そのものの耐震性や耐久性、強度はあまり関係がなかったのです。鍵は「杭」にありました。杭が近隣の住宅よりも長かったのです。しかも本数も標準仕様よりも多めに打っていたのです。言い換えれば過剰な杭工事だったのです。2つの家ともに周りの住宅よりも杭を多く打ち込んでいたのです。結論を言えば、住宅単体の耐震性や強度は周りの住宅とさほど変わりはなかったのですが、家を支える杭や基礎が強かっただけなのです。この住宅を建てたハウスメーカーの性能は、周りの住宅とさほど変わりがなかったのです。住宅自体を支える基礎、杭が他よりも強かっただけなのです。言い換えれば、最低限の耐震性や強度の住宅でも同じような基礎・杭であれば、災害に耐えることができたかもしれないのです。

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基礎強度が強い・杭の長さが長い ハウスメーカーはどこなのか?

地震に強い基礎

住宅の単体の耐震性・耐久性もさる事ながら、基礎の構造や強度、杭の長さや本数も考慮して考えないと、真に地震に強い住宅やハウスメーカーが見えてきません。では? どのような住宅が、ハウスメーカーが、基礎や杭が優れているのでしょうか?

 

デフォルトの状態で基礎や杭が丈夫な住宅は鉄骨住宅です。「積水ハウス」「ダイワハウス」「セキスイハイム」「パナホーム」「トヨタホーム」「ミサワホーム」などが扱っている鉄骨で躯体構造を構成する住宅です。これらの住宅は一般的な木造の住宅に比べて、明らかに基礎が大きく、しかも構造や強度的も優れています。しかも杭に関してもこの鉄骨住宅は、木造住宅より自重が重たいため、多くの杭を必要としています。実際に鬼怒川決壊で流されなかった住宅を建てたハウスメーカーはこの中のひとつです。基礎・杭に関し着目して選ぶならば、鉄骨住宅を選ぶほうが安心と言えます。特に「積水ハウス」の【イズシリーズ】や「ヘーベルハウス」の【フレックス】などは、これらのなかでも更に大きくて頑丈な基礎構造になっています。

 

なぜ? 鉄骨住宅は基礎と杭が頑丈なのか?

なぜこれらの住宅の基礎や杭は頑丈なのでしょうか?その理由は簡単です。住宅が重たいからなのです。重たい鉄骨の住宅を支えるためには、このような頑丈な杭と基礎が必要なのです。住宅自体が重たいということは、地震の際には大きく揺れると言えます。ですから軽い木造住宅よりもより頑丈な作りが必要になります。しかしながら、それはそのままコストに跳ね返ってきます。すなわち価格・費用・坪単価に反映されてくるのです。基礎が大きく、杭が長いということも同じです。すべては住宅の価格に載ってしまうのです。シンプルに言えば、鉄骨住宅は高い・高価だということです。

 

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結局どこのハウスメーカーが安心なのか?【大規模地震】

住宅単体で考えれば、鉄骨住宅やツーバイフォー、パネル工法の住宅が耐震性が高いのは事実です。一般的な木造軸組住宅よりも明らかに地震や災害に強いのは事実です。住宅単体で見ればローコスト系のハウスメーカーの住宅よりも、大手ハウスメーカーの鉄骨住宅のほうが耐震性が高いのは間違いのない事実です。しかし、上記したように住宅単体ではなく、基礎や杭、地盤や近隣状況なども考慮して考える必要があります。せっかくの鉄骨住宅でも、杭や基礎が十分ではなければ倒壊する可能性もあります。逆にローコスト住宅であってもしっかりとした基礎構造、長くて多めの杭があれば、洪水等で流されない可能性もあるのです。

 

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結局のところ、住宅本体は鉄骨住宅やツーバイフォー、パネル工法、あるいは大手ハウスメーカーが採用する特殊木造工法が最善でしょう。いわゆる高価な住宅がベストでしょう。基礎を大きく構造強度を上げて、十分な杭打ち工事、そして地盤改良を行う必要があるでしょう。更にはその土地の性質や形状、成り立ちなども考慮するべきでしょう。これら全てを満たそうとするとかなり高額な住宅になってしまいます。全てを追求してベストな状態にするには多額の費用が必要です。予算が青天井をいう方はほんのひとにぎりでしょう。多くの方が限られた資金の中での家づくりです。どこかで線を引いて妥協することも必要です。

 

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地震に強い注文住宅を建てるため 【杭・基礎・地盤編】

地震災害の家

 

東日本大震災、熊本地震、また昨今の大阪北部地震以来、住宅の耐震性が大きな注目を集めています。今後も南海トラフ地震なども危惧されているので、ますます耐震性の優れた住宅の需要が高まっています。

 

地震のとき家が揺れやすい3つの要素【注文住宅の基本】

 

地震が起きたとき、家の揺れ方には次の3つの要素が関係します。

 

①建物が重いほど揺れる
②建物の剛性が低いほど揺れる
③地盤がやわらかいほど揺れる

 

①については、宅地化か進むにつれ、以前はあまり人が住まなかったやわらかく弱い地盤のところにも、多くの住宅が建てられるようになりました。

 

しかも現代の木造住宅は、防火対策のために柱を壁でおおう構造にしたり、ふすまや障子から壁で仕切るようになったため、以前の木造住宅より明らかに重くなっています。これは①の要素に関係します。地盤がやわらかいところへ、しっかりした地盤対策なしに重い家を建てる と、地震のとき大きく揺れるだけでなく、ふだん近くを大型トラックや鉄道が通るたびに揺れたりします。さらには建物が沈下したりするおそれもあるのです。

 

 

 

 

地盤がやわらかいかどうかの見分け方としては、地名に沼や谷がつくところや、道の端のアスファルトが波打っているところは、やわらかいといえます。また、ひな壇式の造成地の場合は、新たに土を盛って造成した「盛り土」の土地は非常に軟弱です。

 

この「盛り土」は、ある程度の目安はありますが、明らかにかたい地盤だという保証がない限り、専門の調査業者に依頼して、地盤調査・地盤改良をすることをおすすめします。費用はかかりますが(地盤調査10~20万円程度。地盤改良50~200万円程度 もちろん業者によって差がある)、将来的な安心を買うと思えば、けっして高くはないのではないでしょうか。 建てかえの場合も「今まで大丈夫だったから」と過信せずに、現代の家がとても重くなっていることを忘れず、きちんと地盤調査すると安心です。

 

 

土地の強度に合わせて頑丈な基礎を!!

 

地盤調査がわかったら、それに合わせて次のような対策をとります。

 

①建てる家を軽量化する

 

または

 

②建物が土地に接する面(基礎の接地面積)をふやし、建物の重さを分散して地面に伝える工夫をする

 

地盤が弱くて、それでも支えきれない場合は

 

③杭を打ちしっかりした基礎を築く

 

コンクリートや鉄骨より、木造のほうがもちろん軽くなりますが、重い素材で家を建てる場合は、基礎の接地面積をふやしたり、杭でしっかりした基礎を築けば十分に対応できます。もちろん木造の場合も、地盤の強度に合わせて同様の対策をとりましょう。

 

地震で揺れる家
基礎の種類には、建物の重さを直接地面に伝える「直接基礎」と、杭で支える「杭基礎」があります。直接基礎には床下全体をコンクリートで固める「べ夕基礎」と、部分的に固める「布基礎」の2種類があります。

 

べ夕基礎のほうが接地面積が大きくなり、それだけ地震に強いと言われています。また杭基礎は、地表部分の軟弱な地盤を貫通し、地下の頑丈な地盤まで届くように杭を打つ方法です。頑丈で固い地盤まで杭が届いていないと意味がありません。しかし、かたい地盤がかなり深い場所にしかない場合は、やわらかい地盤の中に打ち、摩擦力で支える摩擦杭で対応します。杭打ち工事は軟弱な地盤で安全性を確保する確実な方法ですが、とてもコストがかかりま。杭を打つほどではないけれど地盤の表面が弱いときは、セメントミルクなどを使って地盤改良を行いましょう。

 

 

基礎には「布基礎」と「ベタ基礎」の2タイプが

「基礎」とは外から建物を見たとき、一番下にある鉄筋コンクリー卜の部分の事です。基礎は半分近くが地面の中に埋まっており、家の重さを受け止め、建物と地面と固定し、地震などの揺れから家を守る役目を果たしています。

 

一般の住宅で使われる基礎は、「布基礎」と「ベタ基礎」の2種類のタイプがあります。布基礎は、ちょうどアルファベットのTを逆さまにしたような断面で、地中で下から支えている部分を「フーチング」と呼びます。家の主要な壁(耐力壁)の下はもちろん、間仕切り壁の下にも縦横に張り巡らされています。べ夕基礎は、フーチングの代わりに、床下全面に鉄筋コンクリートを打つもので、壁の下の立ち上がり部分と一体構造になっています。硬いコンクリートの岩盤の上に建物を載せる形になります基礎の上部は平らに仕上かつているかなどもとても重要な確認ポイントです。土台は、基礎の上に配置される太い木の角材の事です。アンカーボルトという金物で、基礎としっかり固定されます。アンカーボルトが土台の中央を貫通し、ボルトでしっかり締められているかどうかも、基礎工事のチェックポイントの1つです。木造軸組工法では柱が、ツーバイフォーエ法では壁が、この土台の上に立ちあがる構造になっています。

 

 

ベタ基礎のほうが良い?!

高温多湿の日本では、床下の換気をいかに確保するかが、家の耐久性・耐候性を高める上でとても重要になります。湿気がこもれば腐朽菌が繁殖し、土台や柱などの木材を腐らせてしまいます。地面から立ち上げ、床下に空間をつくる基礎には、もともと土から上かつてくる湿気を防ぐ役目もあるのです。

 

中でもべ夕基礎は、床下の地面全体にコンクリートが打たれており、湿気対策の面でも有利です。布基礎でも、最近は地面全面に防湿シートを敷き、上に押さえのコンクリートを打つようになりました。床下の空気の通り道をつくる方法としては、基礎の所々に小窓を開ける「床下換気口」が利用されてきました。ただ、換気口をたくさん設けると、鉄筋の配筋が複雑になる上、基礎そのものの強度か下がってしまうという大きな欠点があります。そこで基礎と土台の間にパッキンを咬ませ、全体に隙間をつくって換気を促すネコ式換気=「基礎パッキンエ法」が見直され、現在はこちらが主流になっています。

 

 

埋め立て地や盛土の土地は地盤の強度に要注意

新たに造成される土地は、水旧跡や山林を切り開いた傾斜地が少なくありません。そのような場所に家を建てるには、埋め立てや盛土によって平坦な土地をつくる必要があります。通常、埋め立て地や盛土部分は十分に圧力をかけて締め固めを行いますが、それが不十分だと、軟弱地盤となって不同沈下の原因になります。造成地は一般の土地よりも、注意深く確認しましょう。

 

締め固めについて

締め固めとは、盛り土に圧力をかけて土を固めることです。土の粒子をすき間を埋め密着させることで、強固な地面にします。土が密着すると水が浸透しにくくなります。雨が降っているときに水がどんどん吸収される地面は、締め固めが弱い地面といえます。

 

●周辺が水域を埋めた地域でないか。
埋立地かどうかなどの地歴を諞べるには、古地図、航空写真を各市区町村の図書館で確認するとよい。または土地登記簿、旧土地台帳(明治中期から昭和初期の土地の様子がわかる)を各法務局で諞べるなどがある。

 

●盛土で造成した土地でないか。
盛土とは、傾斜地などに新たに土を盛り、その上に建物が建てられるように平坦な土地にすること。しっかりロードローラーなどで締め固め(転圧)ないと軟弱地盤になりやすい

 

 

活断層の上ではないかをチェック

活断層は、過去に活動を繰り返し、今後も勳く可能性の高い断層です。全国の陸地で約2000ヵ所あり、地 震のリスクが高いといわれている。詳しい位置は産業技術総合研究所のHPで確認できます。また、化学工場や ロガソリンスタンドなどの  跡地ではないかをチェックする必要もあります。市区町村の図書館で古い地図をチェックできる。地質調査を行う場合は1坪3~5万円程度。費用は通 常、買主が負担するが、汚染の可能性が高い場合は 不動産業者と相談して、業者に調査や改良を依頼してみてもいいだろう。

 

ハザードマップでチェック

ハザードマップとは、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図上で表したもの。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」からは、全国の各市町村のハザードマップURLへ直接リンクできる。自然災害の種類は、「洪水」「高潮」「火山」「地震」など。例えば洪水の場合、浸水の深さや範囲、避難場所が確認できる。

 

等高線で水の流れ方をチェッ ク

等高線とは、山や谷など地表の起伏を表すために同じ高度を線で結んだ地図上の曲線。等高線の間隔が 密な地域は急傾斜地で、間隔が広い地域は傾斜がゆるやかなことを表す。等高線の間隔が不ぞろいで、乱れが大きい地域は、過去に地すべりや崩壊が起きている可能性が高い。

地盤のチェックと地盤改良

建物の重さに耐えられない軟弱地盤に要注意

丈夫な家づくりは、地盤のチェックから始まります。地盤のチェックは非常に重要です。軟弱な地盤の上に家を建てるのは、トウフの上に家を建てるようなものです。例えば、延べ床面積が35坪ほどの住宅なら、家財道具や車を含めて重さは約75トンと言われます。どんなに頑丈に設計・施工しても、トウフがくずれてしまえば家は倒壊するでしょう。

 

周囲を海に囲まれた日本では、基本的には硬い層の山(岩)から、海に向かって、新しく軟らかい層に変わっていきます。しかし硬い層であっても、すべての場所が均一に硬いわけではありません。昔田んぼだった所、川や谷たった所、ゴミ捨て場たった所などを埋め立てて造成した土地は、軟弱地盤の可能性があるのです。現地の風景に、地盤の良否を伝えるサインが隠れている場合があります。近隣を歩いてみて周囲より低い土地は、雨や地下水が周囲から集まってくるので、地盤が軟弱になりがち。坂道を下って水路や古くからある池に突き当ったら、そこが付近で一番低い場所です。

 

昔からの地名も大きなヒントになるでしょう。水と関連する河、沼、沢、溝、淵、橋、船、低地を示す谷や窪、水辺の勵植物の鷺、鴨、稲、蕁などが使われていれば、水田や池、湿地などの近くだったと考えられます。その地域の、築数年を経た家屋の傷み具合もチェックして見てください。基礎にひび割れやその補修の跡がある、ブロック塀が傾いている、擁壁に亀裂があるなどしたら、地盤に問題があるかもしれません。また、国土交通省のHP『ハザードマップポータルサイト』には自然災害の予測図や土地条件図などが、社団法人全国地質調査業協会連合会のHPでは地形と地質環境の情報などが閲覧できるので、参考にしてみるとよいでしょう。

 

 

造成地や埋め立て地などで 起こる「不同沈下」

1つの敷地の中に硬い地盤と軟らかい地盤が混在しているため、軟弱な地盤で建物が沈み、傾いてしまう現象を「不同沈下」といいます。これは最近、団地などで多い事例です。丘陵地帯で雛壇状に造成された土地では、イラストのように「盛り土」と「切り土」に分かれます。盛り土側がしっかり突き固められていないと、不同沈下の原因になります。また敷地に、ゴミや瓦礫の埋まっている場所があれば、不同沈下する可能性があります。いずれにしろ、一般の方が判断するには調査が必要です。土地が決まったら、必ず専門の業者に地盤調査を依頼しましよう。

 

 

一般的な地盤調査方法

地盤を調べる方法には、本格的なボウリング調査もありますが、住宅で一般的なものは「スウェーデン式サウンディング「SS調査」です。先端にスクリュー状のものをつけた棒(ロット)に重さを加えて静かに地面に沈めていき、1mもぐるまでに先端のスクリューが何回転するかを見て、地盤の硬さを測定するものです。敷地の中で5ヵ所ほど行った場合、費用はおおむね10万円前後です。

 

もう1つは「表面波探査法」です。機械で一定の震動を起こし、その振動の伝わり方で地盤の状況をコンピュータで解析します。地盤面が舗装されていても調査が可能。費用はSS調査とほぼ同程度です。

 

調査の結果によって、地盤改良が必要なケースが出てきます。建築予定の建物が重量のあるRC造なのか、木造なのかでも変わってきますが、地盤の状態に応じて採用されるのは、住宅の場合3タイプです。地盤が相当に悪いケースでは、硬い地盤まで杭を打って建物を支持する「鋼管杭工事」が必要になります。中程度なら「柱状改良工事」、軽度なら「表層改良工事」。専門家に相談し、適切な方法を選択しましよう。地盤改良には場合によって百万円単位の費用が必要ですが、何十年と家族の安心、安全を守ってくれます。耐震性を気にするなら、まずは地盤の確認が先です。

 

地盤調査報告書は法律で調査が義務づけられている

どんなに構造的にすぐれていても、それを支える地盤が軟弱だったら、せっかくの建物も台無しです。建物の重さを地盤が支えきれなかったら、時間が経つごとに建物は沈んでしまいます。一戸建て欠陥住宅の原因の3分の1は地盤にある」といわれるほど、建物にとって地盤はきわめて重要なのです。

 

昔は業者のモラルに任せられていた地盤の調査ですが、阪神大震災以降、建物を建てる場合にはその土地の地盤の強度を測定し、強度によって地盤補強を行わなければならないことが法律で義務づけられました。ですから、地盤報告書がないということはおかしいわけです。もし、報告書を出せないと言われたら、地盤調査を行っていない可能性があります。地盤調査は必ずやってもらうようにしましょう。建売住宅の場合も同じです。調査報告書がなければ、売主に地盤調査を要求してください。

 

適切な補強がされていれば大丈夫

わが国の住宅地の約4割が、軟弱地盤の上に建っているといわれています。たとえ頑丈な建物でも、地盤が軟弱で何の補強もされていなかったら建物に重大な被害をもたらすこともあります。とくに、建物が不揃いに沈んでしまう「不同沈下」が起こると、家が傾いて壁に亀裂が入ったり、建具の開閉がうまくいかなくなったり、最悪の場合には、家に住めなくなってしまう場合もあります。

 

地盤沈下は通常、建設中に進行し、建物が完成したときにはほぼ沈下が完了します。したがって、売主は地盤沈下がある土地だとわかって販売していると考えて差し支えないでしょう。しかし、軟弱地盤の上に建った家はすべて危険かというと、けっしてそうではありません。地盤の強度に合わせた改良工事や基礎補強をきちんと行えば、安定した地盤に改良することができるのです。そのためには必ず地盤調査を行い、その土地がどのような地盤なのかを調べて適切な対応策を講じることが重要です。

 

現在は、建物を建てるときは必ず地盤調査を行うことになっていますから、業者に聞いて「地盤調査報告書」を見せてもらいましょう。

 

「さんずい」のつく土地は地盤が弱い可能性が高い

よく、住所に「沼」「谷」「池」「水」「沢」など。さんずい”のつく土地は、過去に川だったり沼地だったりと水にまつわる土地であることが多く、地盤が弱い可能性が高いから避けたほうがよいといわれます。確かにそのとおりです。しかし、では。さんずい”の土地には家は建てられないのかというと、そうではありません。地盤の素性がどうあれ、その土地にふさわしい補強方法などは必ずあります。地質にかなった方法をきちんと行いされすれば、安全な家は建つのです。

 

「さんずい」の土地だからダメなわけではなく、それよりも地盤調査を行い、地質にふさわしい基礎づくりをしっかりとつくってもらうことが大切だ、ということです。なお、周辺が軟弱地盤かどうかは、近所の家の様子を観察すると参考になります。現場についたら、近所の家を見て回りましょう。基礎や壁にヒビ割れが多いと地盤に問題があるのかもしれません。とくに鉄筋のサビ汁が出ているようなヒビ割れには注意が必要です。

 

 

災害の歴史を調べてから購入を決めよう

東日本大震災以降、「地震をはじめとした自然災害への対策を踏まえてマイホームを選びたい」という人が増えています。

 

自然災害に備えるためのポイントとして挙げられるのが、その地域でどんな災害が、どの程度予想されるかを知ること。そのためには、各自治体のバザー・ドマップが便利です。ハザードマップとは、災害ごとに想定被害状況を地図にまとめたもの。これをチェックすることで、自分の住む地域がどのような災害で、どの程度の被害を受けることになるのかがわかります。

※記事内には「PR」の宣伝活動および、アフィリエイト広告が含まれております。

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