日本の住宅価格が高い理由と規制緩和

住宅が高いのは、業界の企画が統一されていないのが原因!!

欠陥住宅を確認

 

少し古い資料ですが、2004年に国土交通省が行った興味深い調査があります。アメリカと日本で同一水準の住宅を建てた場合の価格の比較データです。床面積164平方メートル(約50坪)の住宅をアメリカ(シアトル)で建てた場合の建設費は139,500ドルです。当時のレートで、日本円に換算すると約1550万円となります。だいたい坪30万円で家が建つ計算になります。比較するまでもなく「安い」と感じられる金額ではないでしょうか。

 

それでは、これと同じ仕様、同じ設備の住宅を日本で建てたらどうなるのでしょうか。名古屋市に建設した場合で約2850万円かかるというのです。アメリカのほぼ1.9倍、二倍近い金額になるのです。東京や首都圏に建てたならば、この価格差はもっと広がるのです。北米では1平方メートルにつき10万円前後で住宅が建てられるといわれています。わが国なら、少なくともこの2〜3倍以上です。いや建設費はアメリカの5〜7倍というのが現実に近い数字でしょう。しかも、どちらも土地代を別にしての話です。

 

 

日本の住宅が高い理由【業界としての規格が統一されていない】

住宅価格が高い

できることなら、太平洋を越えて移住したくなるような価格差ではないでしょうか。日本の住宅コストがこうも高いのには様々な理由がからみあっているのです。まず住宅業界が産業形態として「規格化」しにくい構造を持っていることが根底にあります。生産システムやルール、規格、工法、資材、設計、積算にいたるまで、住宅建築の要素が関係団体やハウスメーカーごとにまちまちであり、業界として整合性や統一性に欠けているのです。注文住宅の場合、契約ごとに値段が設定されますし、建売りやプレハブ住宅にしても、資材の単価にせよ、職人の労賃にせよ、他の経費にせよ、業者ごとに価格の差が非常に激しいうえ価格決定のメカニズムが外からはまったく見えにくい構造になっています。住宅は電気製品や自動車産業とは異なり、工場で生産できる商品ではない。その地域と切り離せない、いわば「土着型」の商品といえるのです。そのため車や家電のように規格品として大量生産しにくい特性があります。ということは価格も統一して決めにくい、換言すれば生産側の事情や思惑でプライスメータしやすい商品ということになるのです。このように、住宅産業は大手ハウスメーカー主導によって、価格を恣意的に決めやすい構造になっているのが実状です。

 

さらに、重層下請け構造や複雑な流通構造がこの高コストに拍車をかけているのです。住宅会社−建築業者−部分ごとの専門工事会社(基礎工事、電気工事、水道設備、ガスエ事、塗装工事、タイルエ事など)−工事の親方−職人という具合に、下請け構造は多層なピラミッド状になっています。この各段階ごとに経費と利潤を転嫁していけば、最終価格は高くならざるをえないのです。また住宅に使われる部品や建材の数も非常に膨大で、一軒につき15,000点にものぼるのです。これを多くの業者が現場に運び、組み立てる。その組み立てにも30〜50以上もの業種がかかわるのです。いかに住宅という商品に多くの材料、多くの人、多くのプロセスが必要になるかがおわかりいただけたでしょうか。まず、この複雑で多層的なコスト膨脹構造を少しでも単純化する努力をしないと、日本の住宅価格は安くならないのです。

 

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規制緩和は進んだけれど・・・住宅価格は・・・

それでも少しずつ住宅業界にも規制緩和の波が流れ込んできています。最近目立ってきた木三共と呼ばれる木造の三階建て共同住宅や地下室付きの住宅、蔵のある家などと名づけられた屋根裏部屋のある住宅などは、規制緩和によって生まれたものです。少し前までは、造ることができなかったものです。しかし、政治資金規制法、売春防止法と並んで三大ザル法といわれる建築基準法による建築規制、あるいは設備や材料規定など、高コストにつながる規制はまだ多く残っているのが実状です。たとえば「悪名高い」ものに電気、ガス、水道などの設備工事の規制があります。指定工事店制度といって、安全性重視の理由から施工業者の資格が定められ、給排水やガス工事などは地域自治体が指定した業者しか行うことができないことになっているのです。いわば指定業者の寡占状態にあり、これが設備費をコストダウンできない大きな要因になっているのです。また水道の蛇口なども決められた製品しか使用できないなど、設備器具についての規定も「なぜ、そんなところまで」と首をかしげたくなるほど実に細かく多岐にわたるのです。これもまた、日本の住宅価格を高騰させているのです。

 

住宅に対する規制は本来、設備や資材など「仕様」にかかわる規定を細かく設けるのではなく、安全性、つまり住宅の「性能」についてより厳密に行われるべきであると私は考えます。現在の規制のあり方は重心のおき方が逆なのです。このような声が届いたのか、行政もやっと住宅に関する規制緩和に本腰を入れ始めたのです。

 

規制内容を仕様から性能規定中心に改める
2×4工法住宅の性能や技術水準率きちんと規定する
給水やガスの工事業者規制の「抜本的な」見直し
海外の資材や部品の規格を国際水準にあわせる
輸入住宅建設の従事する外国人技能者の入国迅速化

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